ケチケメートのIM トーナメント、CAISSA の2日目は、インドネシアNo.1 ユースのSean と昼食へ。実は昨年からのハンガリー遠征で、初めて他国のプレーヤーと食事に行きました。First Saturday 中も少し話を聞いていましたが、彼は15歳ながら学校を休み、単身6月からハンガリーに滞在して、12月まで大会に参加し続ける予定だそうです。目標は残り2つのIM ノームとレイティング2400到達、彼ならば夢ではないでしょう。
Sean に案内された中華レストランでの食事。彼は若さからか、ぺろりと平らげていましたが、今の私には量が多いです...(笑)
1か月で2度目となるPanov Botvinnik ですが、ここで前回のLyell 戦を外れます。しかし、こちらは本筋として研究済みです!
ここはダブルビショップを消しつつ、白のポーンストラクチャーをさらに乱して勝負します。
一見うまそうに見えるこの手は、実際はあまり働きません。私がメインで考えていたのは、f7 にプレッシャーをかけるプランです。14. Bc4 O-O-O! (試合中、0-0 を優先的に考えていましたが、わざわざ狙われている方向にキングを逃がす理由はありません!) 15. O-O Bxe3 16. Qxe3 Qxe3 17. fxe3 f6= / =/+ こうなれば、e5 に素晴らしいアウトポストを持つ黒のイコール以上が約束されているでしょう。
15... Na5! 16. Qf4 Qxf4 17. Bb5+ Ke7 18. exf4 Rac8=/+ がコンピュータの提案です。確かにこのようにc4 のマスを抑えばビショップに対抗できそうですが、私はセンターにナイトを飛ぶチャンスを捨てきれませんでした。
果たしてクイーンチェックが必要なのかは、判断の難しいところです。黒はキャスリングの権利を失いましたが、その代わりに素早くセンターにルークをまわすことで、弱点であるe3 のポーンをアタックします。
ここはもう少しシンプルにポジションを見直すべきでした。c6 のナイトが浮くことなど気にせず、単純にbポーンを押し上げてb7 へのアタックを消せば、eファイルに弱点を持つ白のみがトラブルを残すことになります。20... b6! 21. Rb5 Rg8 22. Rf1 Qxe3 23. Qxe3 Rxe3 24. Kd2 Re5 25. Rxe5 Nxe5 26. Rf5 Nd7=/+
これは完全に過小評価していた一手です。白はh1 のルークを使う前に、黒のキングサイドを攻撃することでなんとかバランスを取ろうとします。
単純な交換は面白くないですが、g5 が弱点となってしまっている以上、仕方がありません。
23. Kd2 Re5 24. Rxb7 Rh6= を読んでいたので本譜は予想外でしたが、少し考えてみると白のアイディアがわかってきました。
このようにしてf7 にプレッシャーをかければ、1ポーンの代償は十分にありそうです。
安全にドローを目指すならば、27. Rd1! Ke7 28. Re1+ Ne6 29. Ref1 として、本譜通りにドローで落ち着くでしょう。
27... Ne6!? 28. Bg6! Rg7 29. Bf5 Re3 30. Rd7 f6 31. Rfd1! は怪しいですが、依然として白にイニシアチブがあるでしょう。私はリスクを冒さず、ここはドローで満足することにします。
黒はh7 のルークが悪い位置におり、f7 がしっかり狙われている以上、勝ちに行くことはできません。試合後、何が悪かったのは検討ではよくわかりませんでしたが、20... b6 は単純と言えば単純で、なおかつ効果的でした。
9/21 15:30 FM Kojima, S 2357 - FM Lyell, M 2220 0-1
9/22 16:30 IM Meszaros, A 2273 - FM Kojima, S 2357 1/2-1/2
9/23 15:00 FM Kojima, S 2357 - Bird, A 2203
9/24 15:00 FM Kojima, S 2357 - Rudakov, A 2209
9/25 15:00 IM Farkas, T 2255 - FM Kojima, S 2357
9/26 15:00 FM Kojima, S 2357 - FM Keresztes, R 2237
9/27 15:00 FM Sean, W 2338 - FM Kojima, S 2357
9/28 15:00 FM Kojima, S 2357 - IM Sarosi, Z 2265
9/29 15:00 Vamos, V 2181 - FM Kojima, S 2357
試合後の夕飯は、再びSean、そしてオーガナイザーの息子のAdam と3人で出かけることに。懐かしのNon Stop Humberger に向かおうとしたところ、Adam にもっと良い店があると、スーパー裏の露店に案内されました。確かにこちらのほうがパテがジューシーで、明らかにおいしかったです。こちらのほうが近いし、Non Stop Humberger に行くことはもうないですかね。
そして、ここでも色々と面白い話が聞けました。Adam は大学でフェンシングをプレーしており、自身のトレーニングだけでなく、子供のレッスンも行っていること。私のブログをきちんとチャックしてくれており(!)、29日に私とSean がPolgar Chess Festival に行けるよう配慮してくれること。これでま将棋を5回プレーして、WIM に連勝中であること、などなど。Sean が15歳にしてはちょっとオジサンのような体形であるため、食事前から満腹そうだね~とからかったときは爆笑でした。Adam には、ケチケメートやイスタンブールでお世話になってきましたが、今後さらに交流を深めていければと思います。もちろん、Adam だけでなく、他のプレーヤーともですね!
ところで、この3日間は日本では先週に引き続き、3連休だったようですね。Facebook をチェックしていても、葉山や箱根などへ旅行されている方がいるようで羨ましいです。(こちらはハンガリーですがw) 日本の皆さんが良い週末を過ごせていることを願っています。
Sean に案内された中華レストランでの食事。彼は若さからか、ぺろりと平らげていましたが、今の私には量が多いです...(笑)
Meszaros, A (IM, HUN, 2273) - Kojima, S (FM, JPN, 2357)
CAISSA 2013 September IM (2)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. exd5 cxd5 4. c4 Nf6 5. Nc3 Nc6 6. Bg5 Ne4 7. cxd5 Nxc3 8. bxc3 Qxd5 9. Nf3 Bg4 10. Be3!?
CAISSA 2013 September IM (2)
1か月で2度目となるPanov Botvinnik ですが、ここで前回のLyell 戦を外れます。しかし、こちらは本筋として研究済みです!
10... e5! 11. dxe5 Bxf3 12. Qxf3 Qxe5 13. Rc1 Bc5!
ここはダブルビショップを消しつつ、白のポーンストラクチャーをさらに乱して勝負します。
14. Ba6?!
一見うまそうに見えるこの手は、実際はあまり働きません。私がメインで考えていたのは、f7 にプレッシャーをかけるプランです。14. Bc4 O-O-O! (試合中、0-0 を優先的に考えていましたが、わざわざ狙われている方向にキングを逃がす理由はありません!) 15. O-O Bxe3 16. Qxe3 Qxe3 17. fxe3 f6= / =/+ こうなれば、e5 に素晴らしいアウトポストを持つ黒のイコール以上が約束されているでしょう。
14... Bxe3 15. fxe3 Qc7!?
15... Na5! 16. Qf4 Qxf4 17. Bb5+ Ke7 18. exf4 Rac8=/+ がコンピュータの提案です。確かにこのようにc4 のマスを抑えばビショップに対抗できそうですが、私はセンターにナイトを飛ぶチャンスを捨てきれませんでした。
16. Qe4+!? Kf8 17. Be2 Re8 18. Qf4 Qe7
果たしてクイーンチェックが必要なのかは、判断の難しいところです。黒はキャスリングの権利を失いましたが、その代わりに素早くセンターにルークをまわすことで、弱点であるe3 のポーンをアタックします。
19. Rb1 g5! 20. Qg3 h5?!
ここはもう少しシンプルにポジションを見直すべきでした。c6 のナイトが浮くことなど気にせず、単純にbポーンを押し上げてb7 へのアタックを消せば、eファイルに弱点を持つ白のみがトラブルを残すことになります。20... b6! 21. Rb5 Rg8 22. Rf1 Qxe3 23. Qxe3 Rxe3 24. Kd2 Re5 25. Rxe5 Nxe5 26. Rf5 Nd7=/+
21. Rb5!
これは完全に過小評価していた一手です。白はh1 のルークを使う前に、黒のキングサイドを攻撃することでなんとかバランスを取ろうとします。
21... Qxe3
単純な交換は面白くないですが、g5 が弱点となってしまっている以上、仕方がありません。
22. Qxe3 Rxe3 23. Rxg5!?
23. Kd2 Re5 24. Rxb7 Rh6= を読んでいたので本譜は予想外でしたが、少し考えてみると白のアイディアがわかってきました。
23... Rxc3 24. O-O
このようにしてf7 にプレッシャーをかければ、1ポーンの代償は十分にありそうです。
24... h4 25. Rgf5 Rh7 26. Bh5 Nd8 27. Rd5!?
安全にドローを目指すならば、27. Rd1! Ke7 28. Re1+ Ne6 29. Ref1 として、本譜通りにドローで落ち着くでしょう。
27... Ke7
27... Ne6!? 28. Bg6! Rg7 29. Bf5 Re3 30. Rd7 f6 31. Rfd1! は怪しいですが、依然として白にイニシアチブがあるでしょう。私はリスクを冒さず、ここはドローで満足することにします。
28. Re5+ Ne6 29. Ref5 Nd8 30. Re1+ Ne6 31. Ref1 Nd8 32. Re1+ Ne6 1/2-1/2
黒はh7 のルークが悪い位置におり、f7 がしっかり狙われている以上、勝ちに行くことはできません。試合後、何が悪かったのは検討ではよくわかりませんでしたが、20... b6 は単純と言えば単純で、なおかつ効果的でした。
9/21 15:30 FM Kojima, S 2357 - FM Lyell, M 2220 0-1
9/22 16:30 IM Meszaros, A 2273 - FM Kojima, S 2357 1/2-1/2
9/23 15:00 FM Kojima, S 2357 - Bird, A 2203
9/24 15:00 FM Kojima, S 2357 - Rudakov, A 2209
9/25 15:00 IM Farkas, T 2255 - FM Kojima, S 2357
9/26 15:00 FM Kojima, S 2357 - FM Keresztes, R 2237
9/27 15:00 FM Sean, W 2338 - FM Kojima, S 2357
9/28 15:00 FM Kojima, S 2357 - IM Sarosi, Z 2265
9/29 15:00 Vamos, V 2181 - FM Kojima, S 2357
試合後の夕飯は、再びSean、そしてオーガナイザーの息子のAdam と3人で出かけることに。懐かしのNon Stop Humberger に向かおうとしたところ、Adam にもっと良い店があると、スーパー裏の露店に案内されました。確かにこちらのほうがパテがジューシーで、明らかにおいしかったです。こちらのほうが近いし、Non Stop Humberger に行くことはもうないですかね。
そして、ここでも色々と面白い話が聞けました。Adam は大学でフェンシングをプレーしており、自身のトレーニングだけでなく、子供のレッスンも行っていること。私のブログをきちんとチャックしてくれており(!)、29日に私とSean がPolgar Chess Festival に行けるよう配慮してくれること。これでま将棋を5回プレーして、WIM に連勝中であること、などなど。Sean が15歳にしてはちょっとオジサンのような体形であるため、食事前から満腹そうだね~とからかったときは爆笑でした。Adam には、ケチケメートやイスタンブールでお世話になってきましたが、今後さらに交流を深めていければと思います。もちろん、Adam だけでなく、他のプレーヤーともですね!
ところで、この3日間は日本では先週に引き続き、3連休だったようですね。Facebook をチェックしていても、葉山や箱根などへ旅行されている方がいるようで羨ましいです。(こちらはハンガリーですがw) 日本の皆さんが良い週末を過ごせていることを願っています。
2 件のコメント:
たまにはこちらにコメントを書こうかな。
「eファイルに弱点を持つ黒のみがトラブルを残すことになります」ってところが
よくわからないんだけど・・・。小島くんが黒だよね??白の間違い?
惜しいドローだったね。次回は勝てるように祈ってます!
追伸 森内さんが見てくれることを期待して、カレー食べに行きます!!と書いてみよう(笑)
えみぃさん コメントありがとうございます! 確かにこれは白の間違いでしたね。修正しておきます。
カレーイベント、せっかくでので私の分も楽しんできてください(笑) 良い休日になることを願ってますよ~。
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