9月のFirst Saturday もそろそろ終わりが見えてきました。この日を入れてあと3日、4R で全日程が終了します。そんな9R 目が行われた昨日は、試合前に日本人学校の運動会に参加してきました。運動会はブダ側にある学校の施設ではなく、ペスト側のはずれにある公園の一部を使って開催されました。
運動会は朝の9時からスタートです。校長先生の挨拶や開会の宣誓が終わり、最初のプログラムはラジオ体操。メインの小学生、中学生、そして保護者だけでなく、私たちのような一般の参加者も体操の列に加わります。
こちらは小学生たちによる玉入れの様子。私は白組に割り振られたのでそちらを応援していましたが、高学年の部は1つ差という悔しい僅差での負け。一般に勝負を託します。
一般の玉入れは当然のことながら、カゴの位置を高くします。しかし、それにしても高い! 私はセンスがないので、2個ぐらいしか入らなかったような気がします(笑) それでも本気を出した一部保護者のおかげで、一般は白組の大差での勝利となりました。
パン食い競争はなかなかに難しく、みんな口でパンの袋を取るのに苦労していました。ちなみに中身はジャムパンです。
一般の部には私も参加してきました。2回走ってブービー1回、トップ1回(笑) 早く口で袋を取るコツはなんとなくわかりましたが、ひもを持っている子供たちが時々揺らすので、運も重要です。
パン食い競争の後は、私が試合の準備のために早く抜けなければならないため、早めのお昼にしてもらいました。これらは3名の友人たちが自作してくれたもので、私だけ手ぶらで申し訳なかったです... 途中、1,2 月にお世話になった、ブダペスト在住の日本人の方からも差し入れをいただき、満腹状態でアンダンテへ戻りました。
試合前に数時間、チェスから離れても良いものかと少しは悩みましたが、こうして気晴らしをしてからのほうが勝率は良いですし、この9R に関しては完全に準備が終わっていたので、こちらに参加することを決めました。今年の頭にお世話になった人たちに挨拶もできましたし、なにより私のことを覚えていてくれた子供たちに、小島先生! と声をかけてもらったことが、とても嬉しかったです。(私がブダペストの日本人学校で行ったチェス教室については、過去の記事をご覧ください。)それではそろそろ、9R のゲームへ。
こちらのブログで私のCaro-Kann のゲームを追っている人には、すでにお馴染みのアイディアでしょう。b2 とd4 に素早くプッシャーをかけつつ、d8 のマスをルークのために空けておきます。次回、このポジションでは13... Rc8!? も試してみようかと考えています。
ここまでは私の研究手順で、2011年のJapan League のベストゲーム、佐野さんとの試合がこのラインでした。古いチェス通信にはこちらの解説が載っていますので、興味のある方は調べてみてください。
このラインでは黒は黒マスビショップを失いますが、2ピースを交換することで白のアタックチャンスを抑え、dファイルからの素早いカウンタープレーを狙います。
これは黒のプレーを助ける結果にしかなりません。21. Nc4! Qb5 22. Na5 Qxe2 23. Rxe2 cxd4 24. Nxb7 Rb8 25. Na5= がベストです。黒は不満のない展開ですが、特に良いわけでもありません。もちろん勝負はここからでしょう。
試合中、ナイトをセンターに運ぶ手と迷い、こちらをチョイスしました。c4, g4 をアタックしながらルークを重ねる準備をすれば、黒のイニシアチブは継続するだろうと読んだためです。しかし、23... Nfe4! 24. Ne3 Qb6 25. Nc4! (25. Ka1?! Nxd2 26. Rxd2 Rxd2 27. Qxd2 Rd8=/+) 25... Rxd2! (ここではクイーンを逃がすテンポを得るために、重要な一手です。) 26. Rxd2 Qb4 27. Kc1 Nxd2 28. Nxd2 Rd8=/+ 私としてはあまり駒を捌きたくなかったのですが、こうしてdファイルをを抑えれば、ほんの僅かであっても黒が指しやすいことは明らかです。
これでg4 もしっかり受かっていることを、完全に見落としていました。クイーンを交換しても、dファイルのコントロールで多少はイニチアチブが残るかと思いましたが、白にはキングを寄せるシンプルな解決策があり、大きな問題はありません。
26... Nfd7 27. Kc1 Nxe5 28. Rxe5 b6= このように指しても、ほぼイコールでしょう。
完全に黒の押す流れが消えたので、ここでドローオファーしました。一手、相手のベストディフェンスを見落としたのが悔やまれるゲームです。
9/07 14:30 FM Kojima Shinya 2357 - IM Szalanczy Emil 2261 1-0
9/08 16:00 Verstraeten Rein 2298 - FM Kojima Shinya 2357 1-0
9/09 16:00 IM Szeberenyi Adam 2320 - FM Kojima Shinya 2357 1-0
9/10 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Sean Winshand Cuhendi 2338 1/2-1/2
9/11 10:00 FM Lyell Mark 2220 - FM Kojima Shinya 2357 1/2-1/2
9/11 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Blazeka Matej 2312 0-1
9/12 16:00 IM Pribyl Josef 2314 - FM Kojima Shinya 2357 0-1
9/13 Bye
9/14 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Fayard Alain 2259 1-0
9/15 16:00 Rudakov Aleksandr 2209 - FM Kojima Shinya 2357 1/2-1/2
9/16 10:00 FM Kojima Shinya 2357 - Dokuchaev Andrey 2239 1-0
9/16 16:00 IM Farago Sandor 2254 - FM Kojima Shinya 2357
9/17 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - Moeldner Juergen 2273
First Saturday 2013 September IM
そして今日は、再び1日2試合のハードスケジュールです。結果を先に伝えてしまいますと(もう上に書いてありますがw)、午前中は下位に沈むDokuchaev になんとか勝ち! 午後のFarago 戦を待ちます。ここで勝てば、なんとかレイティングプラスで終わるチャンスも見えてきます。
ところで日本ではチーム選手権が行われていますね。レポートを送ってくれる後輩がいるため、少しは現地の様子がわかるようになっています。この記事が公開される時間には、全試合を消化して打ち上げをしている頃でしょうか。私もハンガリーのライバルたちとチームを組んで、参加したかったです(笑)
運動会は朝の9時からスタートです。校長先生の挨拶や開会の宣誓が終わり、最初のプログラムはラジオ体操。メインの小学生、中学生、そして保護者だけでなく、私たちのような一般の参加者も体操の列に加わります。
こちらは小学生たちによる玉入れの様子。私は白組に割り振られたのでそちらを応援していましたが、高学年の部は1つ差という悔しい僅差での負け。一般に勝負を託します。
一般の玉入れは当然のことながら、カゴの位置を高くします。しかし、それにしても高い! 私はセンスがないので、2個ぐらいしか入らなかったような気がします(笑) それでも本気を出した一部保護者のおかげで、一般は白組の大差での勝利となりました。
パン食い競争はなかなかに難しく、みんな口でパンの袋を取るのに苦労していました。ちなみに中身はジャムパンです。
一般の部には私も参加してきました。2回走ってブービー1回、トップ1回(笑) 早く口で袋を取るコツはなんとなくわかりましたが、ひもを持っている子供たちが時々揺らすので、運も重要です。
パン食い競争の後は、私が試合の準備のために早く抜けなければならないため、早めのお昼にしてもらいました。これらは3名の友人たちが自作してくれたもので、私だけ手ぶらで申し訳なかったです... 途中、1,2 月にお世話になった、ブダペスト在住の日本人の方からも差し入れをいただき、満腹状態でアンダンテへ戻りました。
試合前に数時間、チェスから離れても良いものかと少しは悩みましたが、こうして気晴らしをしてからのほうが勝率は良いですし、この9R に関しては完全に準備が終わっていたので、こちらに参加することを決めました。今年の頭にお世話になった人たちに挨拶もできましたし、なにより私のことを覚えていてくれた子供たちに、小島先生! と声をかけてもらったことが、とても嬉しかったです。(私がブダペストの日本人学校で行ったチェス教室については、過去の記事をご覧ください。)それではそろそろ、9R のゲームへ。
Rudakov, A (RUS, 2209) - Kojima, S (FM, JPN, 2357)
First Saturday 2013 September IM (9)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 Nd7 8. h5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 e6 11. Bd2 Ngf6 12. O-O-O Be7 13. Qe2 Qb6!?
First Saturday 2013 September IM (9)
こちらのブログで私のCaro-Kann のゲームを追っている人には、すでにお馴染みのアイディアでしょう。b2 とd4 に素早くプッシャーをかけつつ、d8 のマスをルークのために空けておきます。次回、このポジションでは13... Rc8!? も試してみようかと考えています。
14. Ne5 Rd8 15. Rhe1 O-O 16. Ng6 Rfe8 17. Nxe7+ Rxe7 18. Nf5 Ree8 19. Nd6 Rf8
ここまでは私の研究手順で、2011年のJapan League のベストゲーム、佐野さんとの試合がこのラインでした。古いチェス通信にはこちらの解説が載っていますので、興味のある方は調べてみてください。
20. Kb1!? c5!
このラインでは黒は黒マスビショップを失いますが、2ピースを交換することで白のアタックチャンスを抑え、dファイルからの素早いカウンタープレーを狙います。
21. dxc5?!
これは黒のプレーを助ける結果にしかなりません。21. Nc4! Qb5 22. Na5 Qxe2 23. Rxe2 cxd4 24. Nxb7 Rb8 25. Na5= がベストです。黒は不満のない展開ですが、特に良いわけでもありません。もちろん勝負はここからでしょう。
21... Nxc5 22. Nc4 Qb5! 23. g4 Rd4?!
試合中、ナイトをセンターに運ぶ手と迷い、こちらをチョイスしました。c4, g4 をアタックしながらルークを重ねる準備をすれば、黒のイニシアチブは継続するだろうと読んだためです。しかし、23... Nfe4! 24. Ne3 Qb6 25. Nc4! (25. Ka1?! Nxd2 26. Rxd2 Rxd2 27. Qxd2 Rd8=/+) 25... Rxd2! (ここではクイーンを逃がすテンポを得るために、重要な一手です。) 26. Rxd2 Qb4 27. Kc1 Nxd2 28. Nxd2 Rd8=/+ 私としてはあまり駒を捌きたくなかったのですが、こうしてdファイルをを抑えれば、ほんの僅かであっても黒が指しやすいことは明らかです。
24. Ne5!
これでg4 もしっかり受かっていることを、完全に見落としていました。クイーンを交換しても、dファイルのコントロールで多少はイニチアチブが残るかと思いましたが、白にはキングを寄せるシンプルな解決策があり、大きな問題はありません。
24... Qxe2 25. Rxe2 Rfd8 26. f3 Nh7!?
26... Nfd7 27. Kc1 Nxe5 28. Rxe5 b6= このように指しても、ほぼイコールでしょう。
27. Kc1 Ng5= 1/2-1/2
完全に黒の押す流れが消えたので、ここでドローオファーしました。一手、相手のベストディフェンスを見落としたのが悔やまれるゲームです。
9/07 14:30 FM Kojima Shinya 2357 - IM Szalanczy Emil 2261 1-0
9/08 16:00 Verstraeten Rein 2298 - FM Kojima Shinya 2357 1-0
9/09 16:00 IM Szeberenyi Adam 2320 - FM Kojima Shinya 2357 1-0
9/10 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Sean Winshand Cuhendi 2338 1/2-1/2
9/11 10:00 FM Lyell Mark 2220 - FM Kojima Shinya 2357 1/2-1/2
9/11 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Blazeka Matej 2312 0-1
9/12 16:00 IM Pribyl Josef 2314 - FM Kojima Shinya 2357 0-1
9/13 Bye
9/14 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Fayard Alain 2259 1-0
9/15 16:00 Rudakov Aleksandr 2209 - FM Kojima Shinya 2357 1/2-1/2
9/16 10:00 FM Kojima Shinya 2357 - Dokuchaev Andrey 2239 1-0
9/16 16:00 IM Farago Sandor 2254 - FM Kojima Shinya 2357
9/17 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - Moeldner Juergen 2273
First Saturday 2013 September IM
そして今日は、再び1日2試合のハードスケジュールです。結果を先に伝えてしまいますと(もう上に書いてありますがw)、午前中は下位に沈むDokuchaev になんとか勝ち! 午後のFarago 戦を待ちます。ここで勝てば、なんとかレイティングプラスで終わるチャンスも見えてきます。
ところで日本ではチーム選手権が行われていますね。レポートを送ってくれる後輩がいるため、少しは現地の様子がわかるようになっています。この記事が公開される時間には、全試合を消化して打ち上げをしている頃でしょうか。私もハンガリーのライバルたちとチームを組んで、参加したかったです(笑)
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