さていよいよ、9月のFirst Saturday が始まりました。会場についたのは2時少し前で、まずはオーガナイザーと話をしてエントリーフィーを払います。これが済めば、あとは2時のリスト決めを待つだけなのですが、ここからオーガナイザーから驚きの情報が... なんと1人飛び込みのエントリーがあったため、13人で12R のラウンドロビン形式にするとのこと! 奇数で総当たりなんて面倒なうえ、13という大人数ではスケジュールはかなり崩れることになります。スケジュールはあとで載せるとして、まずは新しいプレーヤーリストから確認しましょう。
1 KOJIMA, Shinya FM 2357 JPN
急きょ参戦したのはロシアのプレーヤーで、彼らは知り合いのようです。これで1人増えただけならばまだ良いのですが、IM ノームの獲得ポイントが、6つ勝ち越しの9ポイントに引き上げられました。これには少し参りますが、言っても仕方のないことですね。しっかり指して、勝てる試合を勝つだけです。それでは1R のゲームへ。
初戦の相手は黒で3連勝中のIM Emil Szalanczy です。白での対戦は初めてで、何を指してくるのかと少し不安でしたが、去年、Szeberenyi に指されたのと同じ変化できたため、胸をなでおろします。
Qa5-Qh5 を許してしまえば、黒にキングサイドでチャンスがあるのは明らかです。クイーン交換は白にアドバンテージをもたらさないとわかりつつも、20分以上考えてこの手を決断しました。チェスは序盤のアドバンテージだけで戦うものではないはずです。
白がe2-e3 を突いたことによる弱点は、d3 のマスが弱まったことです。これをうまくサポートできるか、それとも付け込まれてしまうかが、この後の展開を左右することは承知していました。
この手は特に意味がないように思えます。17... Bg4! 18. f3 Bd7 19. Bc3 このようにg2-a8 のダイアゴナルを閉じさせるのが、黒としては安全策だと思います。
e4 を突いてビショップのダイアゴナルは閉じましたが、テンポを稼ぐことができたので、これはチャンスが来たと思いました。しかし、ベストの手を逃しています。20. Nc1! (アイディアはb2 のナイトの逃げ道をなくすこと!) 20... Ne5 21. Nxa7 Ra8 22. Nb5 Nbd3 23. Nxd3 Nxd3 24. a4+/- これで白は何事もなく1ポーンアップです。
ここで22. Rbd1 だったら、f4-f5 と突いて勝ちだったなと少し悔みつつ、白が良くなりつつあることを信じてベストのプランを探します。
すでにこの時点でかなり時間切迫でした。b3 のポーンを弱めるのは得策ではないと知りつつ、Bxc3-Nxa2 を嫌い、この手を指します。26. Ncd5 Bxd5 27. Nxd5 Nxd5 28. Rxd5+/= これはかなりシンプルなプランです。
27手目でナイトを触った時点で、あれ... ポーンが落ちるぞと思いましたが、ここはなんとかごまかします。実際、ポーンを取られても白は何とかなります。28... Bxa3 29. b4 Bxd5 30. cxd5 Nxb4 31. Bd2! Nc2 32. Rxb7 Nc5 33. Rxe7=
d5 にナイトを残すことも考えましたが、時間がなかったためにわかりやすくピースを捌いて勝負にいきます。このダブルナイトvs. ダブルビショップの勝負は白の分があるはずです。
ようやく白に大きなチャンスが来たことを確信しました。ナイトをd4 へ運ぶのが32... e5 からの黒の構想ですが、その直前の白の手の意味を考えなければいけません。白はようやくここで白マスビショップに仕事をさせることができます。
これはひどいブランダーでした。黒が駒損しないように私が読んでいたのは、35... Rce8 36. Bh6 Ng7 37. Rbd1+/- といった変化や、35... Ncd8 36. Bh6 Rg8 37. Kg2+/- といった変化ですが、いずれも白が良くなっているのは間違いありません。
これでRd3-Rf3+ を絡めることで、白のエクスチェンジアップが確定です。おそらくEmil は、Be3-Bh6 しか読んでいなかったのでしょう。
完全にピースを捌き、純粋なルークvs. ナイトにするのが最も簡単だと考えました。ここからはルークの足の速さを生かすため、ポジションを開きにいきます。
ポーンの多いクイーンサイドだけでゴリゴリ押すのではなく、キングサイドでもチャンスを作りに行きます。f4-f5 やh4-h5 なども気にしなければいけない黒は、ディフェンスを続けることができません。
これでキングの侵入ルートを作って勝負ありです。
怪しいポジションもありましたが、なんとか1つ目の試合を勝つことができました。ちなみに周囲は6試合中、4試合で決着がつくという荒れた結果でした。若いプレーヤーは当然ですが、皆さん早速ファイティングモードです。もともとは8/11 が目標でしたので、私もこの1試合はなかったものと考え、残りの11試合を頑張ります! それでは今後のスケジュールとペアリングです。
9/07 14:30 FM Kojima Shinya 2357 - IM Szalanczy Emil 2261 1-0
9/08 16:00 Verstraeten Rein 2298 - FM Kojima Shinya 2357
9/09 16:00 IM Szeberenyi Adam 2320 - FM Kojima Shinya 2357
9/10 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Sean Winshand Cuhendi 2338
9/11 10:00 FM Lyell Mark 2220 - FM Kojima Shinya 2357
9/11 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Blazeka Matej 2312
9/12 16:00 IM Pribyl Josef 2314 - FM Kojima Shinya 2357
9/13 Bye
9/14 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Fayard Alain 2259
9/15 16:00 Rudakov Aleksandr 2209 - FM Kojima Shinya 2357
9/16 10:00 FM Kojima Shinya 2357 - Dokuchaev Andrey 2239
9/16 16:00 IM Farago Sandor 2254 - FM Kojima Shinya 2357
9/17 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - Moeldner Juergen 2273
休みが1日あるのに、1日2試合が2日間あるという、これまでブダペストでは体験したことのないスケジュールです。前半戦で強豪との試合が固まっているので、これを気合で切り抜け、ノームのチャンスをしっかり作ってこようと思います。次の2Rは、ベルギーの有望なユースプレーヤーとの対戦です!
1 KOJIMA, Shinya FM 2357 JPN
2 SEAN, Winshand Cuhendi 2338 INA
3 SZEBERÉNYI, Ádám IM 2320 HUN
4 PRIBYL, Jozef IM 2314 CZE
5 BLAZEKA, Matej FM 2312 CRO
6 VERSTRAETEN, Rein 2298 BEL
7 MOELDNER, Juergen 2273 GER
8 SZALÁNCZY, Emil IM 2261 HUN
9 FAYARD, Alain FM 2259 FRA
10 FARAGÓ, Sándor IM 2254 HUN
11 Dokuchaev Andrey 2239 RUS
12 LYELL, Mark FM 2220 ENG
13 Rudakov Aleksandr 2209 RUS
急きょ参戦したのはロシアのプレーヤーで、彼らは知り合いのようです。これで1人増えただけならばまだ良いのですが、IM ノームの獲得ポイントが、6つ勝ち越しの9ポイントに引き上げられました。これには少し参りますが、言っても仕方のないことですね。しっかり指して、勝てる試合を勝つだけです。それでは1R のゲームへ。
Kojima, S (FM, JPN, 2357) - Szalanczy, E (IM, HUN, 2261)
First Saturday 2013 September IM (1)
1. Nf3 c5 2. c4 Nf6 3. Nc3 g6 4. g3 Bg7 5. Bg2 Nc6 6. O-O O-O 7. d4 cxd4 8. Nxd4 Ng4!?
First Saturday 2013 September IM (1)
初戦の相手は黒で3連勝中のIM Emil Szalanczy です。白での対戦は初めてで、何を指してくるのかと少し不安でしたが、去年、Szeberenyi に指されたのと同じ変化できたため、胸をなでおろします。
9. e3 d6 10. Nde2 Qa5! 11. Qd5!?
Qa5-Qh5 を許してしまえば、黒にキングサイドでチャンスがあるのは明らかです。クイーン交換は白にアドバンテージをもたらさないとわかりつつも、20分以上考えてこの手を決断しました。チェスは序盤のアドバンテージだけで戦うものではないはずです。
11... Be6 12. Qxa5 Nxa5 13. b3 Rac8 14. Bd2 Nc6 15. Rac1 Nge5
白がe2-e3 を突いたことによる弱点は、d3 のマスが弱まったことです。これをうまくサポートできるか、それとも付け込まれてしまうかが、この後の展開を左右することは承知していました。
16. Nb5 Nd3 17. Rcd1 Nb2
この手は特に意味がないように思えます。17... Bg4! 18. f3 Bd7 19. Bc3 このようにg2-a8 のダイアゴナルを閉じさせるのが、黒としては安全策だと思います。
18. Rb1 Bf5?! 19. e4! Bd7 20. Be3?!
e4 を突いてビショップのダイアゴナルは閉じましたが、テンポを稼ぐことができたので、これはチャンスが来たと思いました。しかし、ベストの手を逃しています。20. Nc1! (アイディアはb2 のナイトの逃げ道をなくすこと!) 20... Ne5 21. Nxa7 Ra8 22. Nb5 Nbd3 23. Nxd3 Nxd3 24. a4+/- これで白は何事もなく1ポーンアップです。
20... a6 21. Nbc3 Nd3 22. Rfd1 Nde5 23. h3 Be6
ここで22. Rbd1 だったら、f4-f5 と突いて勝ちだったなと少し悔みつつ、白が良くなりつつあることを信じてベストのプランを探します。
24. Rbc1 Nd7 25. Nf4 Nb4!? 26. a3
すでにこの時点でかなり時間切迫でした。b3 のポーンを弱めるのは得策ではないと知りつつ、Bxc3-Nxa2 を嫌い、この手を指します。26. Ncd5 Bxd5 27. Nxd5 Nxd5 28. Rxd5+/= これはかなりシンプルなプランです。
26... Nc6 27. Ncd5!? Bb2 28. Rb1 Be5!?
27手目でナイトを触った時点で、あれ... ポーンが落ちるぞと思いましたが、ここはなんとかごまかします。実際、ポーンを取られても白は何とかなります。28... Bxa3 29. b4 Bxd5 30. cxd5 Nxb4 31. Bd2! Nc2 32. Rxb7 Nc5 33. Rxe7=
29. Nxe6 fxe6 30. Nf4 Bxf4 31. Bxf4 Nc5
d5 にナイトを残すことも考えましたが、時間がなかったためにわかりやすくピースを捌いて勝負にいきます。このダブルナイトvs. ダブルビショップの勝負は白の分があるはずです。
32. h4!? e5 33. Be3 Ne6?!
ようやく白に大きなチャンスが来たことを確信しました。ナイトをd4 へ運ぶのが32... e5 からの黒の構想ですが、その直前の白の手の意味を考えなければいけません。白はようやくここで白マスビショップに仕事をさせることができます。
34. Bh3! Kf7 35. Rd3!+/- Rc7?
これはひどいブランダーでした。黒が駒損しないように私が読んでいたのは、35... Rce8 36. Bh6 Ng7 37. Rbd1+/- といった変化や、35... Ncd8 36. Bh6 Rg8 37. Kg2+/- といった変化ですが、いずれも白が良くなっているのは間違いありません。
36. Bb6!+-
これでRd3-Rf3+ を絡めることで、白のエクスチェンジアップが確定です。おそらくEmil は、Be3-Bh6 しか読んでいなかったのでしょう。
36... Ncd8 37. Bxe6+ Nxe6 38. Bxc7 Nxc7 39. Rf3+ Ke8 40. Rxf8+ Kxf8 41. Kg2
完全にピースを捌き、純粋なルークvs. ナイトにするのが最も簡単だと考えました。ここからはルークの足の速さを生かすため、ポジションを開きにいきます。
41... Ne6 42. b4 b6 43. Kf3 Ke8 44. Ke3 Kd7 45. f4 exf4+ 46. gxf4 Ng7 47. Rg1! e6 48. Rg5!
ポーンの多いクイーンサイドだけでゴリゴリ押すのではなく、キングサイドでもチャンスを作りに行きます。f4-f5 やh4-h5 なども気にしなければいけない黒は、ディフェンスを続けることができません。
48... Kc7 49. a4! Kc6 50. a5! Kb7 51. Kd4 Kc6 52. axb6 Kxb6 53. e5!
これでキングの侵入ルートを作って勝負ありです。
53... d5 54. cxd5 exd5 55. Kxd5 Kb5 56. e6 Kxb4 57. e7 a5 58. h5 a4 59. hxg6 hxg6 60. Rxg6 Ne8 61. Rb6+ Kc3 62. Rb8 1-0
怪しいポジションもありましたが、なんとか1つ目の試合を勝つことができました。ちなみに周囲は6試合中、4試合で決着がつくという荒れた結果でした。若いプレーヤーは当然ですが、皆さん早速ファイティングモードです。もともとは8/11 が目標でしたので、私もこの1試合はなかったものと考え、残りの11試合を頑張ります! それでは今後のスケジュールとペアリングです。
9/07 14:30 FM Kojima Shinya 2357 - IM Szalanczy Emil 2261 1-0
9/08 16:00 Verstraeten Rein 2298 - FM Kojima Shinya 2357
9/09 16:00 IM Szeberenyi Adam 2320 - FM Kojima Shinya 2357
9/10 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Sean Winshand Cuhendi 2338
9/11 10:00 FM Lyell Mark 2220 - FM Kojima Shinya 2357
9/11 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Blazeka Matej 2312
9/12 16:00 IM Pribyl Josef 2314 - FM Kojima Shinya 2357
9/13 Bye
9/14 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Fayard Alain 2259
9/15 16:00 Rudakov Aleksandr 2209 - FM Kojima Shinya 2357
9/16 10:00 FM Kojima Shinya 2357 - Dokuchaev Andrey 2239
9/16 16:00 IM Farago Sandor 2254 - FM Kojima Shinya 2357
9/17 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - Moeldner Juergen 2273
休みが1日あるのに、1日2試合が2日間あるという、これまでブダペストでは体験したことのないスケジュールです。前半戦で強豪との試合が固まっているので、これを気合で切り抜け、ノームのチャンスをしっかり作ってこようと思います。次の2Rは、ベルギーの有望なユースプレーヤーとの対戦です!
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