FIDE World Cup 2013 - Kramnik Wins! -

昨夜、World Cup 決勝のKramnik - Andreikin の決着がつきました。決勝だけは白黒2試合ずつの4試合でしたが、初戦で白を持って勝利を収めたKramnik がそのまま3連続ドローで逃げ切り、128名の頂点に立ちました。Kramnik は今大会、クラシカル、ラピッドを含め22試合を戦い、1つの負けもありません。さすがとしか言いようのない戦績です。この抜群の安定性と、小さなチャンスを勝利に結びつける力強さは、私も見習っていきたいところですね。

Kramnik, V (GM, RUS, 2784) - Andreikin, D (GM, RUS, 2709)
World Cup 2013(7,1)

1. d4 e6 2. c4 Nf6 3. Nf3 d5 4. Bg5 Be7 5. Nc3 h6 6. Bh4 O-O 7. e3 b6 8. Bd3 dxc4 9. Bxc4 Bb7 10. O-O Nbd7 11. Qe2 a6 12. Rfd1 Nd5 13. Bg3 Nxc3 14. bxc3 Bd6 15. e4 Bxg3 16. hxg3 b5 17. Bd3 Nb6 18. Qe3 Na4 19. Bc2 Nb2 20. Rdb1 Nc4 21. Qc1 c5 22. a4 cxd4 23. cxd4 Rc8 24. axb5 axb5 25. Qe1 Bc6 26. Rb4 Ra8 27. Rd1 Ra3 28. d5 exd5 29. exd5 Re8 30. dxc6!?

ここまではおとなしい展開で、これはドローかなという雰囲気も漂いましたが、ここでKramnik はクイーンを捨てて勝負を仕掛けます！ ルーク＋ピースvsクイーンのマテリアルは、クイーンを失った白がやや不利のようにも思えますが、c6 にできた強力なパスポーンの力で、Kramnik はその不足分を補います。

30... Rxe1+ 31. Nxe1 Qc7 32. Rxb5 g6 33. Rc5 Ne5 34. Be4 Ng4 35. Nd3 Kg7 36. Bf3 Nf6 37. Nb4 h5 38. Rdc1 Ra7 39. Nd5 Nxd5 40. Bxd5 Qd8 41. c7 Rxc7 42. Rxc7 Qxd5

結局、Andreikin は白のパスポーンを消すためにエクスチェンジを返します。しかし2ルークvsクイーンになれば、ポーンをかすめ取るチャンスのあるKramnik に勝利が光が見えてきます。

43. Re1 Kh6 44. Ree7 f6 45. Red7 Qa5 46. f4 g5 47. Kh2 Kg6 48. fxg5 Kxg5 49. Rh7 f5 50. Rcg7+ Kf6 51. Ra7 Qb4 52. Ra6+ Ke5 53. Rxh5 Qb1 54. Ra5+ Kf6 55. Raxf5+ Kg6 56. Rfg5+ Kf6 57. Rb5 Qc2 58. Rh6+ Kg7 59. Rbb6 Qc5 60. Rbg6+ Kf8 61. Rh7 Qf5 62. Rgg7 Qe6 63. Re7 1-0

おそらく2800台にはまだ戻らないと思いますが、レイティングがプラスであることは間違いないでしょう。世界の頂点に立つプレーヤーの1人として、今後もKramnik には、Carlsen らと熱い戦いを繰り広げてほしいと思います。また、今回の多くの名勝負が生まれたトロムソで、来年の夏、自分がプレーできることも楽しみにしています。