そろそろ連敗を止め、初戦以来の白星がほしい4R です。相手は私の次にレイティングの高い、インドネシアNo.1 ユースのSean でしたが、ゲームは予想と違ってワンサイドの雰囲気になりました。なったはずでしたが...
Kojima, S (FM, JPN, 2357) - Sean, W (FM, INA, 2338)
First Saturday 2013 September IM (4)
1. Nf3 g6 2. d4 Bg7 3. c4 d6 4. g3 c5 5. Bg2 Nf6 6. O-O O-O 7. dxc5 dxc5 8. Ne5!?
First Saturday 2013 September IM (4)
昨年、IM Farkas に指して以来、あまり調べることになかったPanno Variation ですが、この一風変わった変化には多少の自信があります。
8... Qc7 9. Nd3 Be6 10. Bf4!? Qc8 11. Be3!?
試合中、最初に思い付いたのは11. Qb3 Nc6 12. Nc3 Na5 13. Qb5 b6! 14. Bxa8 Bd7! という変化で、これは白のクイーンが落ちて駄目だと思いました。しかしコンピュータは、クイーンの助かる道と白良し評価を示します。 15. Bb7! Qxb7 16. Nxc5 (この手が見えませんでした。) 16... bxc5 17. Qxa5 Bh3! 18. f3 Bxf1 19. Kxf1 Qxb2 20. Rb1+/= なんとこれでイコールながら白良し。全く読めません。
11... Bh3!?
全く予想していない一手! 私が恐れていたのは、11... Bxc4! 12. Nxc5 Ng4! 13. Qc1! Nxe3 14. Qxe3 Nc6 15. Nd2 Bd4! (この手はゲーム中、見えていませんでした。) 16. Qe4 f5 17. Qc2 Bf7 これで形勢はアンクリアーです。
12. Bxc5 Bxg2 13. Kxg2 Qc6+?!
彼は若さ故か、とにかく駒を捨てても攻めたがる傾向があるようですが、ここはポーンを取り返しておくべきです。13... b6! (Qc8-Qb7 の可能性を作ることで、e7 のポーンを守っているのがポイント!) 14. Ba3 Qxc4 15. Nc3=
14. Kg1 Ne4 15. Bxe7 Re8 16. Ba3 Bd4?!
16... Qxc4 17. Nd2 Nxd2 18. Qxd2 Nc6 ならばポーンの代償ありというのがコンピュータの評価ですが、私は少し疑わしいと考えています。丁寧に指せば、徐々に白が良くなるのではないでしょうか。
17. Nd2 Ng5 18. Nf4
ここはh2-h4 からメイトを防ぐのが最初のアイディアでしたが、キング周りはあまり弱めないほうが良いと考え、(h2 にマスを作ることは、逆に白のキングを助けているのかもしれませんが) ここはナイトを中央に運ぶアイディアを優先しました。
18... Nd7 19. Nb3 Be5 20. Nd5!+-
白は2ポーンアップの駒得を守りながら、ピースも素晴らしい位置に配置し、勝勢になりました。しかし私の経験からも一般的にも、勝勢と勝ちは似て非なるものだと断言できます。
20... Nb6 21. f4!
ここは容赦なくピースをいただきます。キングの守りを弱めるのは少し不安ですが、ここは問題ないと読んでいました。
21... Nh3+ 22. Kg2 Nxc4 23. Kxh3 Qe6+ 24. Kg2 Rad8 25. e4!
取り返したポーンでクイーンに当て返す1テンポがあるため、Rd8-Rxd5, Nc4-Ne3+ のナイトフォークはまだ防いでいます。ギリギリですが、十分なディフェンスができているはずです。
25... Bg7 26. Nc5! Qc8 27. Qd3 b5
ようやく一息ついてポジションを確認します。白はピースアップの駒得で、キングへの相手の攻撃も多少捌けています。これはいよいよ勝ちが見えてきたと思いましたが、まだ油断大敵です。
28. Rfe1 f5 29. Rac1 Qa8 30. Rxc4 bxc4 31. Qf1?!
ここはエクスチェンジを返し、黒の最も強いであろうピース、c4 のナイトを消すことで黒のカウンタープレーの息の根を止めようとしました。その構想は完全に正解でしたが、持ち時間残りは一分、ここでポーンが取れないと大きな勘違いをしてしまいました。(それでもそこまで痛手ではないのですが) 31. Qxc4! Rxd5?! 32. Rd1!+- ピンを利用したタクティクスが決まるかと思いきや、逆にピンを利用してさらに駒得でした。うかつ...
31... Qc6?! 32. Qxc4
しかし、ここでd5 のポーンが取れる1テンポがあり、c4 を取ることができました。今度こそ、あとは丁寧に指すだけのはず...でしたが
32... Kh8 33. Nc3 fxe4 34. Rxe4 Rd2+ 35. Kf1 Rxh2 36. Rxe8+ Qxe8 37. Ne6+- Qd7 38. Qe4 Qc8 39. Nxg7??
この2戦はすべて時間切迫でのミスに泣いています。相手のビショップさえ消せば、黒キングは丸裸と思ったのが勘違いで、クイーンでのカウンタープレーを軽視しすぎていました。39. Bc5! ならば、次にビショップを1マス退き、完全にゲームセットです。
39... Qh3+! 40. Ke1 Qxg3+
40手まで到達したは良いものの、ポーンが落ちたことで白のアドバンテージが消えたことを悟りました。(むしろ、キングサイドのパスポーンで負ける恐れすら...) 完全に価値が目の前にあるポジションで、すべてを台無しにするブランダーの恐ろしさを知りました。
41. Kd1 Qg1+ 42. Qe1 Qd4+!
私はクイーン交換からポーンの突き合いを考えていましたが、f4 のポーンも回収しておくほうが正確です。
43. Kc1 Qxf4+ 44. Kb1 Kxg7 45. Ne4!?
45. b3!? はあまり力強くないように見え、バックランクの守りよりも、相手の相手のキングにピースを向けることにします。
45... Qe5 46. Qb4 Rh1+ 47. Kc2 Rh2+ 48. Kb1 Rh1+ 49. Kc2 Rh2+ 50. Kb1 1/2-1/2
これは少なくとも白からは勝負にいけず、黒も2ピースルークのうえにクイーンが残っていては、キングのディフェンスは大変です。ここはドローで落ち着くのが、両者にとって無難な答えでしょう。
連敗が止まった良いのですが、まさかこれを勝てないとは... 今年の1月にも数々の勝勢のポジションをミスでドローにしてきましたが、改めてチェスとは難しいものだと実感しています。今日は1日2試合のハードスケジュールですが、なんとか星をタイ以上に戻せるよう、頑張ってきます。特に午後のBlazeka戦は大きな一番になりそうですね!
9/07 14:30 FM Kojima Shinya 2357 - IM Szalanczy Emil 2261 1-0
9/08 16:00 Verstraeten Rein 2298 - FM Kojima Shinya 2357 1-0
9/09 16:00 IM Szeberenyi Adam 2320 - FM Kojima Shinya 2357 1-0
9/10 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Sean Winshand Cuhendi 2338 1/2-1/2
9/11 10:00 FM Lyell Mark 2220 - FM Kojima Shinya 2357
9/11 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Blazeka Matej 2312
9/12 16:00 IM Pribyl Josef 2314 - FM Kojima Shinya 2357
9/13 Bye
9/14 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Fayard Alain 2259
9/15 16:00 Rudakov Aleksandr 2209 - FM Kojima Shinya 2357
9/16 10:00 FM Kojima Shinya 2357 - Dokuchaev Andrey 2239
9/16 16:00 IM Farago Sandor 2254 - FM Kojima Shinya 2357
9/17 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - Moeldner Juergen 2273
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