2013/09/18

FS 2013 September IM 12th round - A Reliable Fianchetto -


さてハンガリー生活に復帰して最初のFS も、いよいよ最終戦です。相手のドイツ人はレイティング2200台後半ですが、今大会は絶不調で、すでに最下位がほぼ確定しています。前日に負けた私としては、なんとしてもここを勝ちたいところ。白をもって最終戦に臨みます。

Kojima, S (FM, JPN, 2357) - Moeldner, J (GER, 2273)
First Saturday 2013 September IM (12)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 Re8 9. h3 exd4 10. Nxd4 Nc5 11. Re1 a5 12. Ndb5 Bd7 13. Qc2



ここまでは韓国のクラシカル個人戦、最終試合と同じ流れです。(今調べたところ、棋譜は公開していなかったようですね。) スリランカの2100台に劣勢になった前回の反省を生かすつもりで、慎重に試合を運ぶことにします。

13... Bxb5 14. cxb5 Nfd7 15. Be3 c6


この試合の序盤戦で気になったのは、黒からセンターポーンを取る手はないのかということです。人間の感覚では、黒マスビショップまで放棄するのはやりすぎですが、一応読んでおく必要はあります。15... Bxc3?! 16. Qxc3 Nxe4 17. Bxe4 Rxe4 18. Bh6 Re5 (18... Rxe1+ 19. Rxe1 Qf6 20. Qxc7+/-) 19. Rxe5 dxe5 20. Rd1+/=

16. Rad1 Qc7 17. Kh2!?



このラインでは、余裕があれば常にこの一手を挟んでおいて良いのではないかと思うぐらい、私の好きなアイディアです。すでに黒は白マスビショップを放棄していますが、将来的にf2-f4 を突くのであれば、a7-g1 のダイアゴナルからは予め避け、h3,g3 のポーンは守っておくほうが無難です。

17... Rad8


ここも少し難しいのはポーンを取りに行く変化でしょう。17... Bxc3 18. Qxc3 cxb5 19. a3!+/= 黒は一時的に1ポーンアップしていますが、b5,d6,d5, そしてキング周りが弱いので、やはり黒マスビショップまで放棄するのはやりすぎです。

18. a3 Nf6?! 19. f4



以前、Averukh の本を読んでいて結論付けたのは、ルークがd1,e1, 黒マスビショップがe3, クイーンがc2 にいる状態で、問題なくf2-f4 と突ければ、白には十分なアドバンテージがあるということです。ここでもその考えからポーンを伸ばしましたが、先に相手のポーンストラクチャーを乱しておいても良かったようです。19. bxc6 bxc6 20. Bxc5 dxc5 21. f4+/-

19... Ne6? 20. bxc6?!


ここは間違いなく、早めに仕掛けるべきところでした。20. f5! (当然頭にはありましたが、少し慎重になりすぎました。) 20... Nc5 21. b4! axb4 22. axb4 Ncd7 23. bxc6+- 黒はナイトをd7 に退かざるをえなければ、次のNc3-Nb5 からd6 のポーンを失うことになります。

20... bxc6 21. Qf2 Rb8 22. Re2!? Rb3 23. Red2 Reb8 24. f5!



上記の変化から遅れること数手、ようやくこの手を指す決断ができました。e5 のマスは確かに弱くなりますが、黒がそれを利用する前に白は決定的なチャンスを掴めるでしょう。

24... Nc5?


この手には目を疑いました。24... Nf8 25. Bf4 Ne8 26. Na4+/- でも白に大きなポジショナルアドバンテージがありますが、本譜ではすぐに駒損してしまいます。

25. e5! Rxc3 26. exd6!?



26. exf6 Rxe3 27. Qxe3 Bf8 28. Qf4+- このようにエクスチェンジアップしても間違いなく勝勢ですが、私はダブルビショップをキープし、センターに強力なパスポーンを作るほうが、簡単に勝てると判断しました。

26... Qd7 27. Bxc5 Rcb3 28. Re1! Rxb2?


一瞬しまったと思いましたが、冷静になってみると勝利を掴むのに、クイーンはもはや必要ありませんでした。

29. Rxb2 Rxb2 30. Qxb2! Ng4+ 31. hxg4 Bxb2 32. Re7 1-0



少し珍しいですが、きれいなフィニッシュです。これで5勝4敗3ドロー、1つ勝ち越しで全試合を終了しました。

9/07 14:30 FM Kojima Shinya 2357 - IM Szalanczy Emil 2261 1-0
9/08 16:00 Verstraeten Rein 2298 - FM Kojima Shinya 2357 1-0
9/09 16:00 IM Szeberenyi Adam 2320 - FM Kojima Shinya 2357 1-0
9/10 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Sean Winshand Cuhendi 2338 1/2-1/2
9/11 10:00 FM Lyell Mark 2220 - FM Kojima Shinya 2357 1/2-1/2
9/11 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Blazeka Matej 2312 0-1
9/12 16:00 IM Pribyl Josef 2314 - FM Kojima Shinya 2357 0-1
9/13 Bye
9/14 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - FM Fayard Alain 2259 1-0
9/15 16:00 Rudakov Aleksandr 2209 - FM Kojima Shinya 2357 1/2-1/2
9/16 10:00 FM Kojima Shinya 2357 - Dokuchaev Andrey 2239 1-0
9/16 16:00 IM Farago Sandor 2254 - FM Kojima Shinya 2357 1-0
9/17 16:00 FM Kojima Shinya 2357 - Moeldner Juergen 2273 1-0

First Saturday 2013 September IM

今回のFS は、2300台が5人参加し、他の月と比べてもなかなかレベルの高い大会だったと思います。それでもリスト1位でようやく1つ勝ち越しというのは、不満の残る戦績です。この借りは、21日から始まるケチケメートのCAISSA で返すことにしましょう。私にとっての最後のノームチャレンジは、まだようやく1つの大会が終わったばかりです!


にく!

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