昨日、飛び込みで参加することを決めた2nd IWICA International Rapid Chess Championship は、今日が2日目。私はFM 2人を破り、後半戦は2勝2ドロー、トータル6勝1敗2ドローの7Pで全試合を終えました。7P は激戦区となり、最終戦を終えて6人が並ぶタイブレーク争いに。それを制したのはフィリピンの3名でした。
1st Place Datu, I (IM, PHI, 2459) 7P
2nd Place Causo, D (FM, PHI, 2344) 7P
3rd Place Dungca, R (PHI, 2149) 7P
4th Place Portugalera, R (PHI, 2172) 7P
5th Place Kojima, S (FM, JPN, 2384) 7P
6th Place Lahiri, A (IM, IND, 2311) 7P
2nd Place Causo, D (FM, PHI, 2344) 7P
3rd Place Dungca, R (PHI, 2149) 7P
4th Place Portugalera, R (PHI, 2172) 7P
5th Place Kojima, S (FM, JPN, 2384) 7P
6th Place Lahiri, A (IM, IND, 2311) 7P
今大会、フィリピン勢はその強さを見せつけました。3位、4位の2100台のプレーヤーたちもFM クラスの実力がありますし、6P 以上を獲得した上位14人のうち、驚くべきことに9人がフィリピン人です! 彼らは引き続き、明日からのBCCO でも上位勢を脅かす存在になるかもしれませんね。
私は今日の試合、全て内容は良かったと言えるでしょう。4試合とも公開したいところですが、時間がないので、8R の重要な試合のみ載せておきます。チェス人生14年目に突入し、マケドニアのプレーヤーと初めての対戦です。
Kojima, S (FM, JPN, 2384) - Menkinoski, R (FM, MKD, 2379)
2nd IWICA International Rapid Chess Championship (8)
1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. d4 O-O 5. Bg5 h6 6. Bh4 g5 7. Bg3 Ne4 8. Qc2 f5 9. e3 d6 10. Bd3 Bxc3+ 11. bxc3 Nxg3 12. hxg3 Qf6 13. e4 Nc6 14. O-O-O Kg7 15. d5 Ne7 16. Nd4 a6 17. exf5 exd5 18. cxd5 Nxf5
2nd IWICA International Rapid Chess Championship (8)
細かい序盤はさておき、ここからが勝負です。f5 で全てのピースを交換しては白に面白味がないと思った私は、捻ったアイディアで勝負を仕掛けます。
19. Bxf5! Bxf5 20. Qb3!+/=
あえてビショップのナイトの交換を仕掛け、黒の弱点であるe6 のマスに、ナイトが跳びこむチャンスを残しておきます。
20... b6 21. Qc4 Rf7 22. Rhe1 a5 23. Re3!
これで完全に白の優勢を確信しました。c7、e6 に弱点を抱える黒は、次の白の狙いを24. Rde1 だと勘違いし...
23... a4? 24. Rf3!
これでc7 のポーンがおち、白が駒得したエンドゲームへと突入します。
24... Qg6 25. Nxf5+ Rxf5 26. Qxc7+ Rf7 27. Rxf7+ Qxf7 28. Qxd6 Qxf2 29. Qe5+ Qf6 30. Qxf6+ Kxf6 31. Kb2!
ここからのルークエンディングでは、より正確なプレーが要求されます。まずはキングを前進させ、d5 のポーンをうまくサポートできるようにします。(場合によっては、a3 のポーンも狙います。)
31... Ke7 32. c4 Kd6 33. Kc3 Re8 34. Rh1!
h6 のポーンは守りづらいターゲットですので、これを掠め取りつつ、黒キングの動きを制限しにいきます。
34... Re3+ 35. Kb4 Rxg3 36. Rxh6+ Kc7 37. Rh7+ Kd6 38. Rb7+-
37. Rh7+ と指したのは単に時間を稼ぐためでしたが、この手でbポーンが落ちることに気づき、白の勝ちがぐっと近くなったことを確信します。
38... Rxg2 39. Rxb6+ Kd7 40. Rg6!?
ここは少し迷いましたが、a,g どちらかのパスポーンを取ったうえで、残ったポーンの裏側に回るのが、白としては安全な勝ち方でしょう。
40... g4 41. Kxa4 Rxa2+ 42. Kb5 1-0
かつて、全日本の暁さんとの試合で学んだ「キングのポジションがしっかりしているうえで、相手のパスポーンをルークで後ろから止めていれば、2コネクテッド対1ポーンのルークエンディングは簡単に勝てる」という教えは、今も私の中にしっかりと残っています。
今回、カップこそ逃したものの、FM 2人に勝ちを含む7P という結果には満足しています。Rapid FIDE レイティングも上がりそうですし、賞金は6人で山分けで、BCCO のエントリーフィーも稼げました。そして賞金が入ったということは...
こうしてチーズケーキを2つ同時に食べるという、ささやかな贅沢もできるわけです(笑) 試合を終えた現在は、日出からトンローの宿に移り、南條くんと合流して、明日のBCCO の開幕を待っています。この2日間でチェスを十分に楽しんだ気もしますが、明日からの9試合が本当のタイの後半戦。2人で頑張ってきますので、残り8日ほど、タイからのレポートにお付き合いください。
2nd IWICA International Rapid Chess Championship Final Standings
6 件のコメント:
賞金ゲットおめでとうございます▼o$~$o▼ COM山先生は 17...e5 とか 20...c5とか思いつかない手を教えてくれます▽o・~・o▽
こんにちは。5位入賞おめでとうございます。調子が上がってきたようですね。BCCOでの活躍期待しています。
それにしてもフィリピン勢強いですね。もともとマルコス大統領が君臨していたときからフィリピンではchess大人気でしたからね。マルコス大統領はB・フィッシャーとも対局したこともありますしね。次回のブログ楽しみにしています。
ニコファーレに電王戦を見に行ってる人にローソンウチカフェスイーツが振る舞われるようです▼o・~・o▼
匿名さん
17... e5 は私も考えていて、18.Ne6 と飛び込むかなと読んでいましたが、本譜より黒にとって良いんでしょうかね。いずれにしろ、難しいポジションです。
Numataさん
フィリピンはかつて2つの協会が対立し、色々トラブルがありながらも、So Wesley を筆頭に近年目覚ましい成長を遂げている国です。イスタンブールオリンピアードでのフィリピンチームの活躍は素晴らしかったですし、今後も期待したいアジアの目玉ですね。
電王戦 屋敷ーポナンザ戦は 激戦の末 ポナンザの勝ちとなりました▽o・~・o▽
コメントを投稿