2014/04/30

A Training for Japan Chess Championship


Photo by Shioguchi

昨日は全日本選手権への参加者が中心に集まり、新宿でトレーニングを行ってきました。私が少し遅れて到着した頃、6人が15分+1手30秒という一風変わった持ち時間で指しており、私は2R からの参加です。人数が奇数だったため、黒番で2面指し×3R をこなし、結果は5.5Pでした。ドローになったゲームも内容自体には満足しており、全日本前の調整としては悪くない結果でしょう。


Shioguchi, T - Kojima, S
Position After 47...Kg7

このルークエンディングは白キングを3段目でカットオフしているため、うまくキングが上がってe5 をアタックすれば勝てると踏んでいましたが、f7 へのカウンターアタックがある以上、そんなに簡単ではありませんでした。

48. Rc4! Kg6 49. Rf4?!


49. Rg4+! Kh7 (49... Kf5 50. Rg7!) 50. Rf4 がより正確な手順です。汐口くんは7段目に入って、f7 をアタックするアイディアを見落としていたようですね。

49... Ra3


ここでどうチャンスを作りにいくかは難しいですが、以下の変化も考えてみます。49... Rh5 50. Re4 Kf5 51. Ke3 Rh3+ 52. Kd4 Rh1 53. Re2 Rd1+ 54. Kc4 Rd5 55. Rf2+ Kxe5 56. Rxf7 Ke4 57. Rf1 Rd8 58. Re1+


Analysis Diagram

こうして正面からルークでチェックを続ければ、黒キングは後退するしかありません。58... Kf5 59. Rf1+ Kg6 60. Re1 Kf6 61. Rf1+ Ke7 62. Kc3 e5 63. Kc2 Ke6 64. Rd1= ルークをぶつけ、カットオフから脱出すればドローに持ち込めます。

50. Rf6+ Kg7 51. Rf4 Ra5 52. Re4 Ra3 53. Rf4 Ra5 54. Re4 Kg6



白キングの前進を許してしまいますが、黒もポジションの改善を求めるためには、こうするしかありません。これはドローになるだろうと考えていましたが、汐口くんは正確なディフェンスを見つけることができませんでした。

55. Kf3 Ra3+ 56. Kf4 Rh3 57. Kg4?!


ルーク交換を割けるアイディアとしては、57. Re1! のほうがシンプルでしょう。

57... Rh5 58. Re3?! Rf5!



f5 にルークを置き、白キングをカットオフしたまま、e5 のポーンをアタックすれば黒の勝勢です。白は58. Kf3! と指して、キングがクイーンサイドに向かうほうが、タフなディフェンスでした。

59. Re2 Kg7 0-1


黒キングがぐるりと盤を一周し、d5 に到達すればe5 のポーンが落ち、勝負は決まります。割と出てきそうなルークエンディングでしたが、実際に持つのは初めてで、とても勉強になりました。汐口くん、良い企画をありがとう。でも、ルノアールの会議室を「慎也のチェス教室」という団体名で予約するのはやめてくださいね ( ̄▽ ̄)

気づけば全日本も、明日からのスタートです。初参加のメンバーからベテラン勢まで、参加者の皆さん、6日間よろしくお願い致します! 私は、昨年のように負けて更新をサボることがないように頑張ります(笑) 目標は、もちろん4年ぶりのタイトル奪還です!

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