11日の朝、8時にタクシーでアグリジェントのバス停に向かい、カターニア空港へのバスのチケットを購入します。バスの時刻は8時30分発と10時発があり、どちらも14時45分の飛行機には十分に間に合うものでした。前日夜の予定では、8時過ぎからアグリジェントをぶらぶらし、10時のバスでカターニア空港に向かうつもりでしたが、チケットを手にしてから別のアイディアが思い浮かびます。
そうだ カターニア、行こう。
もちろん、ここで言うカターニアとは、空港ではなくその先の終着ターミナル、カターニア市街のことです。空港からはバスでさらに10分ほど、さほど遠くありません。思い立ったら吉日ということで、8時30分発のバスに乗り込み、早々にアグリジェントを後にしました。今回は名物である神殿を1つも見て回ることができませんでしたが、来年以降もこの大会に足を運ぶようであれば、その際は時間を作ろうと思います。(おそらく、アグリジェントに行ったことのある日本人にとっては、いったい何をしていたの? といった感じでしょうw)
バスに揺られること2時間と少し、カターニアに到着しました。カターニアはエトナ火山の近くに位置し、灰の中から蘇った街と呼ばれるほど、火山噴火の被害と戦ってきた歴史があります。到着して早々、そんなカターニアに何があるのか、散策を開始しました。飛行機の時間を考えれば、カターニアに滞在できるのは2時間ほど。急ぎ足でバスターミナルから、西の中心街に向かいます。
10日夜からはアグリジェントで弱い雨がぱらついていましたが、幸いにもカターニアでは青空が広がっていました。シチリアはいまだに20度を超える陽気で、11月初旬とは思えません。看板で見えにくいですが、奥にはシチリアの古い街並みも広がっています。
20分ほど歩いて、カターニア中心の広場に到着です。ここから北に少し向かえば円形闘技場があったのですが、そちらは時間の都合で断念。ショッピングでにぎわうエトネーア通りを南に下り、教会の集まる場所を目指すことにします。広場に立つのはカターニア出身の作曲家、ベッリーニの像です。
カターニアに到着してから最初に口にしたのはアイスクリーム。中央手前にある、コーヒー味にチョコレートをトッピングした2.5ユーロのアイスをチョイスしました。
エトネーア通りをずんずんと進み、大学の前も通り過ぎてたどり着くのが、観光客が集まるドゥオモ広場です。全然カターニアとは関係ないですが、イタリアでドゥオモと言えば、30歳の誕生日には、フィレンツェのドゥオモに上りたい(笑) 思い返せば昨年の5月、ハンガリーを訪れた際に鞄に入れていたのが、冷静と情熱の間でした。
ドゥオモ広場と名付けられているぐらいですので、名物の大聖堂にもお邪魔してみます。私は宗教系の施設は基本的にあまり興味がないのですが、(ヨーロッパ観光ができないw) ここは足を運んで正解だったと思います。たまにはこうした厳かな雰囲気の場所も良いですね。
大聖堂を出ると、早くもタイムアップでバスターミナルに戻るしかありません。しかし、その途中で見かけたグリル屋さんで、美味しそうな肉類を発見、足を止めてしまいます。豚肉とソーセージ、ピーマンの串焼きに、ハンバーグ(セルビアではケバブの一種でしたが、イタリアでもそうなんですかね?) を頂き、お昼ご飯としました。
細い路地を東へ進み、開けた場所に出ると、イタリアの海とそれに沿って走る鉄道の線路が見えてきます。(まぁ線路への進入禁止の柵で、海はほとんど見えないのですが...) 私にとっては熱海で見て以来、約2か月ぶりに目にする海でした。地中海を眺めるのは生まれて初めてかもしれません。
線路まで出れば、バスターミナルのあるカターニア駅まではもうすぐです。私はこうした何もないような海沿いの道を歩くのが大好きで、3月にハンガリーから戻って歩き回った、地元神奈川の海を思い出します。
カターニア駅前の噴水では、小さな虹が撮影できました。なんだか良いことありそうな予感。
ところが、駅についてもバスのチケット売り場がわかりません! こんなことなら早めに買っておくべきだったと後悔しながら、駅前バスターミナルや駅構内をうろうろうろうろ。仕方がないので、ジェラート屋の屋台でどこでチケットが買えるのか聞いてみたところ、「ここだよ」との驚きの返事が! ジェラートだけでなく、バスチケットとも書いておいてくれ!
こうして、なんとか1時10分頃初の空港行きバスに乗れたわけですが、バスはゆっくりとベッリーニの像がある広場まで行き、たくさんのバス停で人を乗せたり下ろしたりしながら、15分かけて駅前まで戻ってきました(笑) 本当にこのバス大丈夫なのかという私の不安をよそに、バスはそのままカターニア駅前を通り過ぎ、またまた私の歩いた海沿いの道を進んで、今度こそ空港へと向かっていきました。空港までの所要時間は35分ほど。地球の歩き方に15分と書いた調査員、ちょっとここまで来なさい!
空港に飛行機離陸予定のちょうど1時間前に到着し、国内便なのでさほど焦らなくても大丈夫だろうと自分に言い聞かせる私を待っていたのは、離陸時間40分遅れのお知らせ... さすがカターニア、最後までずっこけさせてくれます。そんなこんなで慌ただしい滞在でしたが、やはりアグリジェントにとどまらず、カターニア市内に足を伸ばして良かったと思っています。さらばシチリア! また来年以降も、シチリアの陽気を味わいに戻ってきたいと思います。イタリア一人旅は、今日のローマ編に続きます。
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