2013/11/19

Czech Tour Brno Open 4th round


ボルノで迎える2回目の朝です。午前中に細々とした雑事を済ませ、午後近くに駅前へ。宣言通り、今度こそ美味しそうなサンドウィッチをゲットしてきました。なかなかハムとチーズのコントラストがきれいです。こちらは36チェココルナなので、160円ぐらいですかね。もちろん美味しかったです。


食事後は試合の準備のための戻らなければいけませんでしたが、せっかく駅まで出てきたので簡単にでも周辺を見ておきます。ブルノ駅前地下街は思ったより広く、ブダペスト西駅の地下を彷彿とさせます。バッグや靴など、売られているものも似ていますしね。


こちらの靴は600円から2000円ぐらいが主流でしたかね。私は今、ブダペスト西駅地下街で購入した1400円ぐらいの靴を履いています。最近、安い理由が判明しつつありますが、まぁ履けなくはないです(笑)


様々なチョコレートを量り売りする店で見かけたチョコの花。日本にお土産に買って帰ろうかと思いましたが、1ヶ月トランクに入れておくのは不安なので断念しました。


デザートのシュークリームは80円くらい。私はそういうつもりで書いているわけではないのですが、最近、小島さんの食レポ楽しみにしています! という連絡を貰いました。確かにこうしてみると、食べ物の写真は多いですよね。(すごくいまさらですが...)

それでは4R のゲームに移ります。相手は現在、U14 世界ランキング1位の少女、カザフスタンのWIM Abdumalik Zhansaya です。



Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Abdumilak, Z (WIM, KAZ, 2311)
Brno Open (4)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. g3 d5 4. d4 Bb4+ 5. Bd2 Be7 6. Bg2 O-O 7. O-O c6 8. Qc2 b6 9. Rd1 Nbd7 10. Bf4 Bb7 11. Nc3 Nh5 12. Bc1 f5!?



Avrukh いわく、Stone Wall 型は常に白が少し良いとのことですが、やはり実戦では手の作り方を知らないと困ります。黒で勝負にいくなら、あり得るチョイスでしょう。

13. b3 Rc8 14. Bb2 Bd6 15. e3 Qe7 16. Rac1 Nhf6 17. Ne2!


e2-e3 を突いたのは、f5-f4 を止めるためだけではなく、このナイトのマヌーバリングを可能にするためです。2つのナイトはアウトポストのe5 を目指します。

17... Ba6!? 18. Nf4 Ne4 19. Ne5 g5 20. Nfd3 Nef6?!



ここで私が気にしていたのは、20... g4! と突く手で、むしろこうしなければg7-g5 を突く意味はないだろうとまで思っていました。(狙いはNe4-Ng5-Nf3+ or Nh3+ や、Rf8-Rf6-Rh6 からの、白キングへのアタック。) もちろん、白としてもf4 にアウトポストができるのはありがたいですが、この攻め合いの評価は難しいところだと思います。

21. Qb1 Bb7 22. Rc2 a5 23. a4 Rfd8 24. Qa1 Bxe5!?


ビショップを諦めるのは大きな決断です。ナイトをうまく配置すれば問題ないと彼女は判断したのかもしれませんが、やはりビショップによる黒マスの支配は強力だと私は考えます。

25. Nxe5 Nxe5 26. dxe5 Ne4 27. Ba3! Qg7 28. f3 Nc5 29. Qd4!



一見b3 が弱く見えますが、黒のナイトはこれを取っては生還できません。これで優勢になったと思いましたが、相手のクイーンがピンの位置に戻るディフェンスが予想外で、その後のベストムーブを逃がしてしまいます。

29... Qf8!? 30. Rb1?!


ここは30. Rdc1! と指すのがうまい手で、c5 のナイトにプレッシャーをかけていけば白は大きく優勢です。b3 が問題ないと判断したうえでのQa1-Qd4 であったのに、ここで慎重になりすぎてしまいました。

30... Ba6! 31. Qc3 Rd7 32. Bf1 Bb7 33. Rd1 f4?! 34. Bh3!



これで再びチャンスが舞い戻ってきました。眠っていたビショップが復活し、e6 のポーンを狙うことで白は再び攻勢に出ます。

34... Qf7 35. exf4 gxf4 36. Rd4!?


これはもうルークがキングサイドに向かうべきだろうと考えましたが、コンピュータは36. Bxc5 bxc5 37. gxf4 とポーンを取って勝勢評価です。d5-d4 からパスポーンを作られるのを嫌ったのですが、a5 まで落ちるのであれば問題ないでしょう。

36... fxg3 37. hxg3 Re8 38. Rf4 Qe7 39. cxd5?!



やはりd5-d4 からのカウンターを警戒しましたが、これも杞憂でした。39. Rf6! d4 40. Qe1+- と指せば、次にc5 のナイトを消してからe6 のポーンを取ることができます。

39... Rxd5 40. Rf6 Bc8 41. Qe3 Qg7 42. Bf1?!


d3 のポーンは取らせても問題ありませんでした。42. Kg2! Rd3 43. Qe2 Rxb3 44. Bxc5 bxc5 45. Rxc5+/-

42... Nd7 43. Bb2 Nxf6 44. exf6 Qg6 45. Rh2



エクスチェンジを諦めた白ですが、ダブルビショップと6段目のパスポーンで、代償は十分にありそうです。ここからは互いに残り数分でDobrov 戦同様に大きなミスが飛び交います。

45... Rg5?? 46. g4?


46. Bd3! Rxg3+ 47. Kf2 Qg5 48. Qe4! h5 49. Be5+- これでルークを取って勝ち! g3 を守る手を挟まなくて良いのは盲点でしたが、g3-g4 をほとんどノータイムで指したのはこのゲームの大きな反省点です。よほど明らかなオンリームーブでなければ、持ち時間がなくても多少は他の手を考慮しなくてはいけません。

46... e5 47. Bd3?



47. Bc1! (このアイディアは考えていたのですが、有効なのは確信が持てませんでした。) 47... h6 48. Qxb6!+- 恥ずかしながら、こうしてクイーンが避ければエクスチェンジが取り返せることに全く気付いていませんでした。

47... Qxf6 48. Bxh7+ Kg7?


48... Kf7! 49. Bc1 Rg7 50. Qe4= ならば、黒はエクスチェンジをキープできるでしょう。

49. Be4?!



試合直後、リスト2 のFM Kantans にベストムーブを指摘されました。49. Bc1! Qf4 (49... Rh8 50. Qxb6! Be6 51. Qxc6+-) 50. Qe1 Qf6 51. Be4! と指せば、やはりエクスチェンジを取り返し、白が大きく優勢です。

49... Rd8 50. Rh7+ Kg8 51. Qc1??


51. Rh3 ならば、まだ白は戦えたでしょう。最後のミスはひどかったです。

51... Bxg4!-+ 52. Kf2 Be6 53. Bc3 Bd5 54. Rh4 Rf8 55. Qe3 Rf7 56. Qxb6 Bxe4 0-1



やはり、時間がない時の捩じり合いがまだまだ未熟です。この辺りの精度を上げていかなければ、レイティング2400到達は難しいでしょう。それでも、なかなかこうしたゲームは海外でしか経験できないので、アジアを離れ、こうしてチェコで彼女と試合ができたことを幸運に思います。


Photo by Hasegawa

今年の6月、韓国での写真も出てきました。Abdumilak は今後、カザフスタン代表として、さらに経験を積んでいくでしょう。男子と女子では、こうした大会でしかペアリングが組まれませんが、また別の機会にも対戦できることを楽しみにしています。

11/16 16:00 R1 Kreyssig, B (GER, 1837) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/17 09:00 R2 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Kotva, M (CZE, 1996) 1-0
11/17 16:00 R3 Blahynka, M (CZE, 2188) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 1/2-1/2
11/18 16:00 R4 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Abdumilak, Z (WIM, KAZ, 2311) 0-1
11/19 16:00 R5 Stanek, S (CZE, 1941) - Kojima, S (FM, JPN, 2364)


5R は当然落ちて再び1900台と。ここはさくっと勝ってくるつもりです。


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