2013/11/20

Czech Tour Brno Open 5th round


1900台とヒットしたことで多少余裕ができたので、この日は少しゆっくりと街を周ってみます。両替を済ませてから、まず見つけたのは蝋燭屋さん。クリスマスシーズンということで、様々な形とサイズの蝋燭が売られていました。


お昼ご飯はクロワッサンのサンドイッチ。具はハムなどの肉類は抜きで、モッツァレラチーズ、トマト、バジル、オリーブオイルでした。値段は30チェココルナです。


23日にBrno Open が終わってからは、首都プラハに移動して1泊する予定です。プラハに行くバス停の場所も、この日確認してきました。駅前最大のホテル、Grand Hotel 近くのバス停から発車し、プラハまでは2時間半程。料金は1000円弱とのことです。


そしてかねてから行こうと思っていた、聖ヨハネ聖ペテロ大聖堂へと足を運んでみました。遠くから見てもその大きさがわかるので、目前にしての迫力はすごいです! 車との比較で、だいたいのサイズを想像してみてください。このような大聖堂が100年以上、ブルノの地に立っていることにも驚きです。


大聖堂の中にも入ってみます。名物のステンドグラスは、前評判通りとても綺麗でした。しかし、私以外に誰も人がいません(笑)

この後、シュピルベルク城にも行ってみようかと思いましたが、何しろ11月のチェコは寒い! 冬用装備も十分でない私は、城見物を諦めてホステルに戻ることにしました。あと10日以上チェコにとどまる以上、手袋ぐらいは買いましょうかね。 それでは、さっくりと試合解説へ。

Stanev, S (CZE, 1941) - Kojima, S (FM, JPN, 2364)
Brno Open (5)

1. d4 d5 2. Bf4 c5 3. e3 Nc6 4. c3 Nf6 5. Bd3 Bg4 6. Nf3 e6 7. Nbd2 cxd4 8. exd4 Bd6



この日のオープニングはどうしようかと思いましたが、結局、Caro-Kann Exchange と同じ形にすることに。手順はどうあれ、この形で簡単に下にドローを取られてしまうならば、Caro-Kann で今後も戦っていくことはできないでしょう。

9. Bg3!? O-O 10. O-O Bh5 11. Re1 Rc8 12. Bxd6 Qxd6 13. h3 Bg6 14. Bxg6 hxg6 15. Ne5 b5!


クイーンサイドのマイノリティーアタックは、このポーンストラクチャーでの重要な黒の戦略です。白マスビショップを交換したことで、白のキングサイドアタックのチャンスを減らした黒は、c3 のポーンを弱点にすることで、クイーンサイドでのイニチアチブを握ろうとします。

16. Re3 b4 17. Qa4 bxc3 18. bxc3 Nd7! 19. Nxd7 Qxd7 20. Rb1 Rc7!?



ここは20... Rb8 もあり得そうですが、ルークをぶつけ合うよりも多少リスクを承知で、c3 にプレッシャーをかけるほうが面白いと考えました。

21. Nf3 Rfc8 22. Rb3 Qe7


安全に指すならば、22... Ne5 23. Qxd7 Nxd7 とクイーンを交換してしまうのもありでしょう。ナイトはこの後、Nd7-Nb6-Nc4 or Na4 と組み替えることで、黒にわずかなチャンスがありそうです。

23. Qa3 Qf6 24. Qd6 Na5 25. Rb8!



いやはや、この手は完全に見落としており、24... Na5 でエクスチェンジアップだと思っていました。もう1つ、かなり真剣に考えていたのはクイーンサクリファイスですが、これは黒に絶妙な受けがあり、不発に終わります。25. Qxc7? Rxc7 26. Rb8+ Kh7 27. h4 Rb7! 28. Rf8 Rb1+ 29. Kh2 Rb8!-+


Analysis Diagram

な、なるほどー。この手が見つからなければ、25. Qxc7 はかなり不安になる一手です。

25... Rxb8 26. Qxc7 Qd8! 27. Qf4?


しかし、この一手が大きなミスで、白は自身のアタックチャンスを過大評価しすぎです。27. Qxa7 Ra8 28. Qc5 Nc4 29. Re2 Qb8= これならば、黒はポーンを取り返すチャンスが十分にありそうですが、優勢まではいかないでしょう。

27... Rb1+ 28. Kh2 Nc4 29. Ne5 Qc7!



これでナイトを交換したうえで、e5,c3,a2 に白の弱点となるポーンが残ることが確定し、黒の優勢なエンドゲームへと突入します。

30. Rf3 Nxe5 31. dxe5 Re1!? 32. Re3 Rc1 33. Qg5?!


私が試合中、最も恐れていたのはクイーンを交換するラインです。33. Qb4! Rc2 34. Qd6 Qxd6 35. exd6 Kf8 36. Rf3 こうすると、d6 のポーンはすぐに落ちそうにも見えますが、それを取らせる間に白はごちゃごちゃとポジションを荒らしに行けるため、そう簡単な黒勝ちのルークエンディングでもないでしょう。

33... Rc2!-+



このシンプルなダブルアタックでポーンをかすめ取り、黒の勝勢は明らかとなります。最後の抵抗である白のキングサイドアタックを捌けば、いよいよゴールが見えてきます。

34. f4 Rxa2 35. Rg3 Ra1 36. h4 Qb6 37. Rf3


試合後、37. Qe7 だっらどうかと指摘しましたが、これに対しては 38.Qb1! 38. Kh3 Qf5+ 39. Kh2 Qxf4-+ という筋でf7 を守り、白の最後穂反撃をシャットアウトできました。

37... Qg1+ 38. Kh3 Qh1+ 39. Kg3 Ra2 40. Rf2 Qe1 41. Qd8+ Kh7 0-1



途中、少し怪しいかなとも思いましたが、なんとかこれを勝って3勝1敗1ドロー、貯金2に戻りました。残り4戦でどこまで星を伸ばせるか、今日から勝負の後半戦です。

11/16 16:00 R1 Kreyssig, B (GER, 1837) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/17 09:00 R2 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Kotva, M (CZE, 1996) 1-0
11/17 16:00 R3 Blahynka, M (CZE, 2188) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 1/2-1/2
11/18 16:00 R4 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Abdumilak, Z (WIM, KAZ, 2311) 0-1
11/19 16:00 R5 Stanek, S (CZE, 1941) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/20 16:00 R6 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Golcman, E (RUS, 2209)


そして5R 注目の上位ボードは両方で決着がつきました。1B のWIM Abdumalik - FM Burdalev 戦は、黒が何らかの用事で開始を1時間遅らせたにもかかわらず、負けぎりぎりとなる50分遅刻でスタート。それでもFrench Tarrasch で始まったゲームは、黒に不満のない展開に見えましたが、私が夕飯を終えて戻ると1-0 表記がなされていました。私を前日に破ったAbdumalik は驚異の5連勝で、がっちり単独首位をキープしています。

2B の白は、ここまで安定した強さを見せていたラトビアのFM Kantos です。しかし、この日は70歳を超えるウクライナの老IM Piankov に痛い負け。一歩後退で私と同じ3.5P グループに落ちてきました。実力はあっても、1試合も負けることなく戦い続けるのは難しいものです。残りの4試合で誰がAbdumalik のポイントを削りにいけるのか、まだまだ優勝争いはわかりません。

私は次のラウンド、相手はロシアのプレーヤーですが、調べてみるとなんと1936年生まれ! 私の海外公式戦で、最年長の対戦相手であることは間違いありません。かなりのベテランだと踏みましたが、調べてみると試合が2002年以降しかありません。まさか、60歳を超えてから公式戦デビューを果たしたのでしょうか(笑) そうだとすると、何を始めるのにも遅すぎるということはありませんね!


夕飯は駅前で、ビッグバーガーのダブル(パテ2枚)なるものをチョイス。凍える体にはありがたい、アツアツの美味しさです。

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