2013/11/29

Czech Tour Pilsen Open 5th round


今日も今日とてクリスマスマーケットへ。午前10時台でも、広場はお客さんの姿がちらほら。この日は完全に食事のためだけにやってきました。完全に食レポです!


パプリカをふんだんに使ったシチューは、温かく濃厚でとても美味。このままだと味が濃すぎてやや食べにくい人にとって、無料でパンが付くのはありがたいサービスです。


こちらは前日に見かけたときから気になっていた、Domaci Pramboraky という料理です。食べてみると中身はジャガイモで、簡単に言えば平たく伸ばした、巨大なフライドポテトでしょうか。100g で(ヨーロッパでは、dkg という単位を使います。) 16Kc という値段設定で、店主が揚げたものをその場で量り、会計をします。しかし、200g を超える揚げたジャガイモは、カロリーが少し気になりますね(笑)


お姉さんのケーキ屋にも当然足を向けます。こちらはAndel Station という店が出張で屋台を出しているそうで、メインの店舗はピルゼン市内にあります。気になっていたケーキのうち、左のチョコレートタルトを頂くことに。(右は本物のパプリカですかね?) 中央は思ったより濃厚なチェコレートクリームでした。今日は別のケーキを試してみるつもりです!

11時過ぎには食事が終わったので、試合までどうするか少し悩みましたが、相手が強豪の上にあまりに寒いので、試合の準備のためにホステルに戻ることにしました。完全に食事のためだけに広場まで出てきた1時間弱でした。

Schmidt-Schaeffer, S (GER, 2382) - Kojima, S (FM, JPN, 2364)
Pilsen Open (5)

1. f4 d5 2. Nf3 g6 3. e3 Bg7 4. Be2 Nf6



相手は白でも黒でもStonewall Dutch の使い手で、タイトルこそ持っていないものの、2400台にもしばしば勝つIM クラスのプレーヤーです。試合直前ぎりぎりまで、4... Nh6 とどちらを指すか悩みましたが、よりスタンダードなナイトの位置を選びました。

5. O-O O-O 6. d4 c5 7. c3


この手を見て一安心。彼も色々と試しているようですが、7. Qe1 にような手であれば、どう指すか少し悩んだと思います。

7... b6 8. Nbd2 Ng4!?



最初は8... Ba6 から白マスビショップを交換するスタンダードなプランで戦うつもりでしたが、私は白の8手目を見て、早々に仕掛けても良いのではないかと考えました。

9. Nb3 c4 10. Ne1 h5 11. h3


ここが8... Ng4 のポイントで、h2-h3 を突かせることで、g3 のマスを弱点にします。

11... Nh6 12. Nd2 Nf5 13. Rf3 h4 14. b3 b5 15. bxc4?!



15. a4 b4! (c3 の守りが崩れれば、Nxd4! が決まります。) 16. Bb2 bxc3 17. Bxc3 cxb3 18. Nxb3 Nc6= ならば、黒満足な展開ですが、形勢はイコールでしょう。

15... bxc4-/+ 16. Nc2 Bb7 17. Rb1 Qc7 18. Rf2 Nd7


これはかなり理想的なポジションになったのではないかと思いました。黒は次にNd7-Nf6 からe4 のマスをコントロールし、将来的な弱点であるc3 のポーンを攻めることができるでしょう。そのうえで、Rab8 からbファイルも取り返せば、何も怖いところはありません。白の次の駒交換はそれを恐れてだと思いますが、決してうまいアイディアだとは言えないでしょう。

19. Bg4 Ng3 20. Bxd7?! Qxd7 21. Qg4?


なるほど、クイーンを交換してh4 をターゲットにする作戦か、と納得し、全く黒のベストムーブが見えていませんでした。

21... Qxg4?!



21... Qa4!! (盤上の女王たちはすれ違う運命です!) 22. Rb2 Bc8! 23. f5 (23. Qd1 Bf5-+) (23. Qxh4 Nf5 24. Qg4 Nxe3-+) 23... Bxf5 24. Qxh4 Bxc2 25. Qxg3 Bd3-+ これで完全に白マスをコントロールした黒が勝勢です。h4 のポーンを取らせても良いのは完全に盲点でした。

22. hxg4 Rfb8!


試合後に、すぐ22... Bc8 ならば白は困るのではないかと指摘されましたが、それには23. Nb4 でd5 のポーンを攻める反撃があります。

23. Kh2 Bc8 24. Rxb8 Rxb8 25. Kh3 Bf6 26. Nb4 Bb7!



白のナイトはNb4-Na6-Nc5 から、e3-e4 突きを目指します。こうされるとまずいことに気づき、なんとかならないかと知恵を絞るうちに、このビショップを戻すアイディアが思い浮かびました。h4 のポーンがキングで取られても、ナイトチェックからe3 のポーンを取ることができます。

27. g5 Bg7 28. Kh2!?


こう来るのは予想外でしたが、なんにせよh4 のポーンを守り切った黒は、b4 のナイトを追い返して反撃に出ます。

28... a5 29. Nc2 Bc8 30. Ba3 Bf8?!



しかし、これがいまいちだったか。コンピュータの指摘は、30... Bf5! 31. Ne1 Rb7 32. Nef3 Bd3 33. Ne1 (33. Nxh4 Ne2!-+ h4 とc3 の交換が黒に好ましいのは、私も頭にありました。) 33... f5! 34. Kh3 Kf7 35. Kxh4? (このポーン、取ったらどうなるのか試しに考えてみると...) 35... Nh1! 36. Rf3 Rb8-+ なんとメイト受けなしです。e7 もh4 も気にせず、ビショップをd3 まで運べばよかったんですね。難しい...

31. Ne1 Bg4 32. Nef3 Nf5?


この悪手でこれまで積み上げてきた優勢をすべて崩してしまいました。32... Rb7 33. Nf1 (33. Nxh4 Ne2-+) 33... Ne4 34. Rb2 Rxb2 35. Bxb2 a4 36. Nxh4 a3 37. Ba1 Be2! 38. Ng3 Bd3!-+ ならば、まだ黒が勝つでしょう。ビショップでa2 を取りに行くという発想は、全く頭にありませんでした。

33. e4!=



考えてみれば当然の一手ですが、33. Ne5 ばかりを考え、e3 のポーンは取れると思っていました。e4 にナイトを置けるようになった白は、c4 のポーンをターゲットにしつつ、c3 を守れるので、指しやすさが格段に向上します。

33... dxe4 34. Nxe4 Rb1 35. Ne5 Ne3 36. Nd2 Re1!


c4 が落ちることが確定し、劣勢にまでなったかと思われたこのポジションで、冷静にこのベストムーブを見つけることができたのは幸運でした。

37. Ndxc4 Be6! 38. Nxe3 Rxe3 39. Rc2 Bf5 40. Rb2 Rxc3 41. Bc5



これまで特に書いていませんでしたが、今大会はFS と同じで、40手で30分が加算されます。ポーンを取り返し、時間も増えて一安心でしたが、冷静にポジションを見てそんなに簡単でもないかもしれないと思い直しました。黒はダブルビショップですが、黒マスビショップは働きが悪く、e7 のポーンがターゲットになっています。残った時間と増えた時間のうち、15分を費やして満足なディフェンスを考えます。

41... f6!? 42. Nc6 fxg5 43. fxg5 a4 44. Kg1


44. Nxe7+ Bxe7 45. Bxe7 Rc2 46. Rxc2 Bxc2 47. Kh3 Be4= e7 のポーンを取られても、異色ビショップにしてしまえば白に勝つ方法はありません。

44... Be4 45. Ne5 h3 46. gxh3 Rxh3 47. Rb8 Kg7 48. Nd7 Rf3 49. a3 Rf5!



g5 の孤立ポーンへのアタックは、黒の反撃のポイントです。

50. Kh2 Bc6


こうしてd7 のナイトをアタックし、これを取り除きにいけば、黒の概ねの問題は解決します。

51. Ne5 Bd5 52. Rd8 Bb3 53. Nd7 Be6 54. d5!?



なるほど、こうしたアイディアがあるのかと感心しました。白のf8 取りのタクティクスにより、このポーンを取ることはできません。少し焦りましたが、当初の狙い通り、ナイトを消せば問題ないはずです。

54... Bxd7 55. Rxd7 Rxg5 56. Bxe7 1/2-1/2


このルークエンディングは何事もなくドローでしょう。5時間弱のハードなトップ対決は、こうして幕を閉じました。

11/24 16:00 Kalist, K (CZE, 1886) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/25 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Paldus, P (CZE, 2022) 1-0
11/26 16:00 Ernst, M (AUS, 2164) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 0-1
11/27 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Abdumilak, Z (WIM, KAZ, 2312) 1-0
11/28 16:00 Schmidt-Schaeffer, S (GER, 2382) - Kojima, S (FM, JPN, 2364) 1/2-1/2
11/29 16:00 Kojima, S (FM, JPN, 2364) - Bartos, J (FM, CZE, 2259)



2B のFM Bartos, J - IM Strebkovs, A は、ナイト、ビショップ、ポーン vs ルークという珍しいマテリアルでしたが、なんとかStrebkovs がドローに持ち込みました。3.5P 同士の対戦はすべてドローでしたが、3P 勢で軒並み決着がついたので、4/5 が多くなっています。私だけ半歩飛び出た4.5P なので、6R 終了時でもこのリードを守りたいですね。次はチェコのFM Bartos, J に白を持っての対戦です!

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

これは何でしょう・・ ▽o・~・o▽

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131127-00003389-sbunshun-soci

Shinya_Kojima さんのコメント...

週刊文春になにか記事が出たことは私も聞いていました。
横浜のトラブルについてはさほど詳しくないですし、そもそもイベントに関わっていないので、どうなるか様子を見守ろうと思います。

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